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ゾロアスター教入門(15)

岡田 明憲 朝日カルチャー講義報告

神秘思想を読み解く マニ教の『巨人の書』

時:2014年8月9

 

 『巨人の書』はマニ教の教祖マニが自ら執筆した大部の書であり、3世紀に成立した。マニは超能力を持つ一種の天才であったが、卓越した政治的手腕と絵画的才能を用いて初の絵入り経典を発行し、大人気を得た。人間的には複雑なところがあったが、中央アジアやインドへも布教の旅に出かけた。

 マニ教はユダヤ教の一派ともいわれているが、『巨人の書』にはキリスト教やヒッタイトの巨人神話等の影響もあるとされ、様々な説がある。

 内容は、創造、光と闇との闘い、堕天使、天界復帰などが主なテーマであるが、旧約聖書の偽典であるエノク書の影響が大きい。堕天使である巨人と悪魔の闘いの物語の他に、エノク(光の天使)の預言、ゾロアスター、ブッダ、キリスト等の役割、信徒への教え等も含んでいて、複雑な内容になっている。

 マニ教は国際的な拡がりを見せ、中国では明教として長く存続し、弥勒信仰や白蓮教にも影響を与えている。

 ゾロアスター教にとってはマニ教は最大の敵であり、 それはマニ教の光=精神と闇=物質という二元論にあった。特に悪との対決はマニ教徒にとっては最大の課題であり、『白鯨』などの現代文学にも影響がみられる。日本人にとってはこれまで見過ごしてきた悪の問題に対する契機になるかもしれない。 

 

(佐々木・記)

 

 

 

 

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